11月13日

 

面接に臨んだ介護サービス会社から「採用通知」が届きました(嬉しい!)。1時間くらいの面接でしたが、終始和やかな感じでしたし、返事に困るような場面もなかったので、その点は不安ありませんでしたが、一つだけ気掛かりだったのは、私が訪問介護職を希望していること。県下でも男性ヘルパーはあまり例がないようです。ですから「採用通知」が届いてホッとしました。

数日後にオリエンテーションがありました。「採用通知」に同封されていた書類を揃え、緊張感を持って臨みました。複数のマニュアルをいただき、所長さん自ら説明いただきました。「守秘義務」「プライバシーの保護」「安全第一」「利用者第一」「報連相」など、私が以前勤めていた会社と同じです。今はどこでもこうなんだと、安心感を覚えました。

「介護」という、私がこれまで経験してきた仕事とは明らかに異なる業務に就くわけで、所長さんからも「新しい仕事を覚えるのは大変でしょう。全く違う仕事ですものね。」と声をかけていただきました。もちろん彼女は私の「履歴書」を見ていますので、心配りをいただけたという感じです。やっていけるかな?という不安な気持ちと、頭の中が活性化されていく高揚感とを感じながら、オリエンテーションを終えました。

先週あたりから、取り組んでいることがあります。一つは漢字の練習。利用者宅で仕事を終えると、必ずしなければならないのが「介護記録」の記入。簡潔・明瞭で具体的な表現も織り交ぜながらとなっており、漢字で書けば短く済むものを、ひらがなで書いていたのでは話にならないと考えました。難しい漢字は必要なく、普段言葉に介護用語を加えた程度でいいのです。

もう一つは家事の心得。主に洗濯と料理でしょうか。洗濯機などは自動化されているものがほとんどのようですが、料理はそういうわけにはいきません。研修で使った教科書を妻にみてもらい、包丁の扱い(千切り、輪切り、みじん切り)を教えてもらい、そこから炊飯・味噌汁等徐々にレパートリーを広げていこうかと考えています。男の料理とかはダメなんですよね(笑)。(つづく)

Ω

乗鞍岳

乗鞍岳

本日快晴で、北アルプスに聳える乗鞍岳が大変美しかったので写真に収めました。手前は高山市内にある北山公園の紅葉です。

Ω Ω 趣味のお話し Ω Ω

10月28日のブログに、グリーグ作曲の劇付随音楽「ペールギュント」について紹介しましたが、もう一作品、その素性を知りたいと思っていた作品があります。劇付随音楽「アルルの女」です。そもそもは、ジョルジュ・ビゼーの組曲「アルルの女」が大好きで、初めて買ったLPレコードもこの作品でしたが、劇付随音楽というからには、舞台劇もあるのだろうと。それを知りたいと思いました。

アルルの女

アルルの女

組曲「アルルの女」全曲(ジョルジュ・ビゼー)
シカゴ交響楽団(指揮:ジャン・マルティノン)

  1. 前奏曲
  2. メヌエット
  3. アダージェット
  4. 鐘(カリヨン)
  5. 田園曲
  6. 間奏曲
  7. メヌエット
  8. ファランドール

レコード・ジャケットの解説によると、フランスの自然主義作家アルフォンス・ドーデ(1840~1897)が、自らの作品「風車小屋だより」に収めた短編小説「アルルの女」を舞台用に戯曲として書き直し、それを持ってパリのヴォードビル座の支配人がビゼーに作曲を依頼したというものでした。

この組曲に最初に出会ったのは、たしか中学校の音楽の授業だったと思います。あの頃は授業の中に「クラシック鑑賞」という時間が設けられていて、その中で聴かせていただいた曲です。「ファランドール」の躍動感あふれる美しい調べに感動したことを覚えています。

レコード・ジャケットの解説によると、戯曲の初演はパリのヴォードビル座であったが、観客の反応は芳しいものではなかったということです。しかし、ビゼーの音楽は好評で、ビゼーの死後に友人によって完成し、その後は音楽だけが組曲「アルルの女」として、今も聴き継がれているというものでした。

写真右側に小さく写っているのは、LPレコードと同じシカゴ交響楽団演奏(指揮:ジャン・マルティノン)によるCDです。LPレコードの方はいつのまにか盤面に深いキズが入ってしまい、聴くたびにプツプツ音に悩まされてきました。そんな時に発見したCDです。当然同じ演奏ですので、とても嬉しかったことを思い出します。

短編小説「アルルの女」について、以下に紹介します。

 Ω

風車小屋だより「第6話:アルルの女」(辻昶訳、国土社)

風車小屋だより

風車小屋だより

短編小説「アルルの女」は、ドーデの短編小説集「風車小屋だより」に「第6話」として収録されていました。写真の書籍は、私の地元の図書館の子供用図書の書架にあったものですが、大変愛らしい装幀ですね。収録されている他の作品の中で、「星」「スガンさんの雌山羊」「法王のらば」は読んでいてホッとするような作品群だと思いました。

あらすじ

その美貌の息子はジャンといった。20歳である。彼はアルルの闘牛場でたった一度だけ見かけた娘のことが忘れられず、「あの娘と結婚できないなら死ぬ」とまで言い出した。息子のそんな状況を案じた両親は二人の結婚を許すと息子に告げるが、その後、その娘の情夫と名乗る男が現れ、父親に「あの女はアバズレですぜ」と打ち明けた。その話を聞いたジャンは、それ以降、娘のことを口に出さなくなった。

ジャンは毎日これまで以上に懸命に働き、村の祭にも出て明るく振る舞っていた。しかし、彼はアルルの娘を忘れることが出来ないでいた。母親はそんな息子の様子に気付いており、いつも息子に注意を払っていた。しかし、ある日の夜明け前、彼は屋根裏部屋の窓から身を躍らせ、帰らぬ人となった。彼はその娘を軽蔑していても、娘に恋する気持ちを抑えることが出来なかったのだ。死んだ息子の体を抱き上げ、泣き叫ぶ母親の声が辺りに響いた。

※左下の「過去の投稿」ボタンを押すと、一つ前のブログをご覧いただけます。