[歌劇]アドリアーナ・ルクヴルール(フランチェスコ・チレーア)

アドリアーナ・ルクヴルール http://wp.me/p5IIo9-BE

アドリアーナ・ルクヴルール
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収録曲 [歌劇] アドリアーナ・ルクヴルール全4幕 LD2枚組(収録時間:158分)  [イタリア語/日本語字幕]
ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団(指揮:ジャナンドレア・ガヴァツェーニ)  1989年上演

アドリアーナ・ルクヴルール(コメディー・フランセーズの花形女優):ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
マウリツィオ(ザクセン伯爵):ペーター・ドヴォルスキー(テノール)
ブイヨン公妃(マウリツィオを愛する夫人):フィレンツァ・コッソット(メッゾ・ソプラノ)
ブイヨン公(遊び人で伊達男の公爵):イーヴォ・ヴィンコ(バス)
ミショネ(コメディー・フランセーズの老舞台監督):アレッサンドロ・カッシス(バリトン)
ジャズイユ修道院長(若くて洒落者の修道院長):エルネスト・ガヴァッツィ(テノール)
マドモアゼル・ジュブノ(女優):パトリツィア・ドルディ(ソプラノ)
マドモアゼル・ダンジュヴィル(女優):サラ・ミンガルド(メッゾ・ソプラノ) 他

第一幕。コメディー・フランセーズの控室。本番前の楽屋は戦場のようでミショネは息つく暇もない。女優デュクロのパトロン、ブイヨン公爵が洒落者のジャズイユ修道院長を連れて楽屋にやってくる。ちょうどそこにアドリアーナが台詞を練習しながら現れる。公爵が素晴らしいと絶賛すると、彼女は謙遜してアリア「私は創造の神の慎ましい下僕に過ぎません」を静かに歌い出す。公爵がデュクロはと尋ねるとミショネが、彼女は楽屋で書き物をしていましたと答える。公爵は修道院長にその手紙を手に入れたいと言ってサイフを渡して立ち去り、修道院長も楽屋の方に入る。ミショネはアドリアーナに伯父の遺産が入ったから結婚したいと仄めかすが、アドリアーナは自分の恋人、ザクセン伯の旗手の事を話し出す。ミショネはついに言い出しそびれ出て行く。そこにマウリツィオが現れ、喜び駆け寄るアドリアーナの美しさを讃える。

出番が近づき、アドリアーナはマウリツィオの胸に小さなすみれの花束を刺してステージに急ぎ、マウリツィオは客席に向かう。公爵が戻って来ると修道院長が、手に入れた「今夜十一時セーヌ下流の別荘で」と書いたデュクロの手紙を持ってくる(この手紙はブイヨン公妃に代わってデュクロが書いたもの)。宛先は劇場のボックス番号からマウリツィオと判る。公爵は夜十一時に同じ別荘で小宴をする事にし、手紙の封をし直して小間使いに手紙をマウリツィオに届けさせ客席へ戻る。ミショネはアドリアーナの舞台を袖から食い入るように見ている。そこにマウリツィオが現れ今夜の約束が二つ重なってしまったことを嘆きながらも政治を恋に優先させ、アドリアーナの小道具入れの中に「今夜は会えぬ」旨したためて立ち去る。舞台が終わりショックを受けて戻って来たアドリアーナを公爵は今夜の宴に誘う。サクソニア伯爵も来ると聞いてアドリアーナは招待を受ける。

第二幕。セーヌ河畔にある公爵がデュクロに与えている別荘。やっと現れたマウリツィオの胸にある花束を見咎めて嫉妬するブイヨン公妃に、マウリツィオは花束を貴女のためにと言って与えてしまう。そして政治の要件を公妃に頼み立ち去ろうとすると、公妃は冷たいと言って情欲の炎を燃やす。その時馬車の音がし、ブイヨン公爵が到着するのが見えるので、公妃は慌てて別室に隠れる。現れた公爵はマウリツィオに、逢引きの現場を押さえたからには自分はもうデュクロに飽きたので、あとの面倒を見てくれと言う。マウリツィオは公爵が思い違いしていることに気付き胸をなでおろして取り繕う。そこにアドリアーナが現れるので公爵はザクセン伯爵を紹介する。伯爵の旗手だとばかり思っていた青年が伯爵その人と聞いてアドリアーナは驚く。皆が別室に行くとアドリアーナは伯爵との身分の差を考え身を引こうとするが、伯爵の熱烈な愛に再び彼の胸に縋る。

そこにミショネが現れデュクロに用事があるので失礼すると言うと、修道院長はデュクロはここにいる、その扉の中に隠れている筈と言う。マウリツィオはアドリアーナに、この中には政治の関係で重要な女性が隠れているのでうまく逃がしてやってほしいと頼む。ミショネが中に入ってみてデュクロじゃなかったようだと出てくると、修道院長も確かめに入ろうとするが、アドリアーナが「野暮なことはお止めなさい」と追い払う。そして誰もいなくなったスキに公妃を呼び出し逃がそうとする。二人は互いに顔を隠しているが、その会話から共に恋敵であることに気付き、激しくやりとりする。そこにブイヨン公爵が戻って来るので公妃は急いで秘密の扉から逃げる。ミショネが公妃が落した腕輪を拾いアドリアーナに手渡す。

第三幕。ブイヨン公爵の館のサロン。公妃は伯爵の恋人は誰かと詮索し、宴に現れたアドリアーナの声に聞き覚えがあることから、確かめるために伯爵が決闘で重傷を負ったと言うと、アドリアーナは驚き失神しかける。公妃は恋敵がアドリアーナであると確信した。そこに当の伯爵が現れ噂は偽りと笑いとばし、ロシアでの戦いの話をする。バレエ劇の後、公妃はアドリアーナにすみれの花束を見せ、アドリアーナも公妃の腕輪を見せて、共にあの夜の女性だったことを確かめ合う。二人の激しい中傷合戦が再び繰り広げられた。ここで公妃の冷酷な一面を見せられアドリアーナはたじろぐ。

第四幕。アドリアーナの家。マウリツィオを奪われたと思い込んでいるアドリアーナは、公妃への嫉妬にさいなまれ病を患って家に閉じこもっている。そんなアドリアーナをミショネが見舞う。続いて劇場の仲間たちが、今日はアドリアーナの誕生日と祝いに来て劇場に復帰するようにと励ます。そこにマウリツィオからの小箱が届く。それを開けた瞬間、アドリアーナは中から出たガスに鼻をつかれ倒れそうになるが、中身が自分が送ったすみれの花束であるのを見て、なんと醜い仕打ちと嘆く。

この騒ぎですっかり元気を失ったアドリアーナを勇気づけようと、ミショネはマウリツィオに連絡をとった。そこにマウリツィオが現れ、すみれの花束を送り返したのは自分ではないと語る。アドリアーナの誤解は解けた。マウリツィオの求婚にアドリアーナは喜ぶ。しかしアドリアーナは急に意識がおかしくなる。ブイヨン公妃が花束に仕込んだ毒ガスが回って来たのだ。幻覚に苦しめられ、死にたくないとマウリツィオに縋りながら、アドリアーナは息を引き取った。(幕)

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